- AMOサービス事業
湘南物流、物流の未来を見据えたシステム刷新をシステムズがサポート:創業40年以上の実績とDXでさらなるサービスの進化を目指す
- 物流
湘南物流株式会社
業種
一般貨物自動車運送、貨物取扱、燃料油・機械販売、食品一般雑貨販売、
自動車整備、物流コンサルティング、損害保険代理、土地建物賃貸
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概要
湘南物流株式会社は、40年以上にわたり食品物流、特にチルド商品の配送に特化したサービスを提供してきました。24時間365日体制での安定した物流サービスと、保管から配送、納品代行、伝票発行まで一貫した商品管理体制が特徴です。関東圏を中心に機動力のあるサービスを展開する同社において、システムズは2017年から基幹システムの保守業務を担当し、2021年からはプライムベンダーとして、さらに踏み込んだ支援を行っています。
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課題
- 内製システムでは人的ミスのリスクが高く、データ精度に課題があった
- システム保守における専門知識の不足により、改善が限定的だった
- 各拠点で情報が分散しており、一元化が必要だった
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効果
- 自動化の推進により、入力ミスが減少し、データの正確性が向上
- Backlogの導入で進捗管理が効率化し、コミュニケーションが円滑になった
- クラウド環境での一元管理により、拠点間での情報共有が容易になった
事例・実績インタビュー
参加者
- 代表取締役 阿部 勝雄様
- 管理本部 部長 平野 真様
- さいたま営業所 課長 稲垣 武様
- 生鮮事業部 厚木共配センター係長 岩井 拓也様
- 管理部システム課 原 広一様
社名 | 湘南物流株式会社 |
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事業内容 | 一般貨物自動車運送、貨物取扱、燃料油・機械販売、食品一般雑貨販売、自動車整備、物流コンサルティング、損害保険代理、土地建物賃貸 |
従業員数 | 337名(令和6年3月31日時点) |
湘南物流の歴史について教えてください。
阿部様は、湘南物流の創業と成長について次のように語ります。
阿部様:当社は来年が創業50周年を迎える節目の年となります。創業以来、食品物流に特化した専門性の高いサービスを提供してまいりました。平塚の湘南倉庫運送を母体として物流部門が独立する形で湘南物流が誕生し、それぞれの事業領域で専門性を発揮しながら成長してきました。親会社の湘南倉庫とは社内取締役という形で連携を保ちつつ、各社の強みを生かした事業展開を行っています。
事業内容についてもお聞かせください。
阿部様:当社の主力事業は、大手小売チェーンの店舗配送センター運営業務です。チルド商品を中心とした保管、在庫管理、伝票発行などの業務を手がけています。また、量販店向けの共同配送事業も展開しており、複数の取引先の商品を効率的に配送する体制を構築しています。現在では、大手流通グループ各社の加工肉や精肉といった食品の物流も担当しており、拠点は厚木をメインに、埼玉の吉野町、横浜、東京の大田市場の場外と、4か所で展開するまでになりました。
チルド物流の特徴として、温度管理はもちろんですが、特に商品のリードタイムの短さが大きな課題です。賞味期限の関係で時間管理が非常にタイトであり、それに伴う対応力が重要になります。当社の長年の経験で培った対応力とカバー力は、外部からも高く評価していただいており、新しい取り組みを行う際にも、まず当社に相談いただけることが多くなっています。
現在はどのようなシステムを運用されていますか?
原様:当社が運用している基幹システムは、AWS環境で稼働しており、主な機能として販売管理、保管料の在庫管理、配車管理、そして勤怠管理などがあります。基幹システムで管理されたデータは、給与計算や財務会計システムとも連携しています。
従来のシステムの課題は何でしたか?
平野様:以前は社内のシステムエンジニアが独自開発したシステムを使用していましたが、担当者の退職を機に、保守運用体制の見直しが必要になりました。その際、大手のシステムインテグレーターに相談し、必要な機能の構築をお願いしたのですが、当社の業務とは完全にはマッチしていない部分があったのです。使いこなせていない機能も多く、オーバースペックな印象がありました。
阿部様:当時は月末の請求業務などで長時間作業が常態化しており、人的なミスも発生していました。今の働き方改革や2024年問題を考えると、その体制では限界があったと思います。違う会社にお願いするという決断は、そういった課題を解決する重要な転換点となりました。
システムズの支援で、特に良かったことを教えてください。
阿部様:今後ますます重要性を増すシステム領域において、専門知識を持った方々にお願いすることが大きな効率化に繋がっていると実感しています。システムズにお願いしてからは、実際の運用で困ったことや、もっとこうしたいといった相談も気軽にできるようになり、私たちの業務レベルに合わせた活用方法をご提案いただいています。
システム運用面ではどのような効果を感じていますか?
岩井様:24時間365日のシステム稼働により、時間を選ばずに作業ができるようになりました。以前は日勤者しかできなかった業務の制限がなくなり、非常に効率的になりました。また、当社の基幹システムでは、取引先ごとの保管・配送業務の管理が一元化されており、経理や本社での管理のしやすさという点でも大きなメリットを感じています。特に、多数のメーカーの商品管理において、マスター登録による人的ミス防止や、入出庫・保管料金の管理が効率化されました。
原様:他には特筆すべき効果として、費用面での改善も挙げられます。サーバーのOS更改に際して、システムズ様からサーバー上のファイル整理などの提案をいただき、その結果、費用が半分以下に削減できました。
基幹システム以外のご支援についてはいかがでしょうか?
原様:コミュニケーション面でも良い変化がありました。Backlogなどのツールをご提案いただいたことで、定例会議だけでなく、日々の進捗確認や情報共有がスムーズになりました。また、夜間のトラブル対応など、当社の業務特性に合った柔軟なサポート体制も、大きなメリットとなっています。
2024年問題や物流DXの推進に注目が集まる中、物流業界全体の動向やトレンドについてどのように感じていますか?
阿部様:物流業界のトレンドとしてDXが注目されていますが、その取り組みが進んでいるのは大手企業が中心で、当社のような規模の会社は、その域にまだ達していないのが実情です。一方で、物流は人間の体でいえば血管に例えられるほど社会に不可欠な存在で、その重要性は年々高まっています。以前は値上げ交渉も難しい環境でしたが、昨今は物流コストの高騰が商品価格に転嫁される例も増え、以前より値上げ交渉のテーブルについていただける機会は増えてきました。そうしたことから、社会インフラとしての物流の価値は着実に認知されてきていると感じています。しかし、人材確保の難しさや働き方改革など様々な課題に直面しているのも事実であるので、これからは単に物を運ぶだけでなく、新しい価値を提供していく必要があるでしょう。
今後の課題や展望についてお聞かせください。
阿部様:今後の展望として、食品メーカー各社が持つ物流機能の集約化に可能性を感じています。これまで各社が独自の物流体制を持っていましたが、コスト面や効率性の観点から、共同での物流体制構築に関心が高まっているのです。当社としては、チルド物流で培った専門性とノウハウを生かしながら、新たな協力関係の構築を目指しています。物流業界はこれまで各社それぞれが単独で事業を展開していましたが、最近は情報交換や協力関係の構築に前向きな雰囲気が出てきました。このような変化をチャンスと捉え、他社との連携や共同配送の拡大など、新たなビジネスモデルの構築をリードしていきたいと考えています。
現場の視点から見た、今後の課題や展望についてお聞かせください。
稲垣様:埼玉の営業所では、事務職の人材確保が課題となっています。以前は募集すればすぐに応募があった事務職でも、現在は採用が難しい状況です。また、現場の高齢化も進んでおり、業務効率化も急務といえるでしょう。現在はExcelのマクロやVBAを活用して業務の効率化を図っていますが、専門的な知識を持った人材が少ないため、当社だけではできることに限界があります。幸い、システムズには小規模な改善から相談できる環境が整っているので、サポートも得ながら、より効率的な業務運営体制の構築を目指していきたいと考えています。
今後の物流業界ではどのような技術やイノベーションが重要となるでしょうか?
阿部様:物流現場の自動化やデジタル化は確実に進んでいくと考えています。運行管理や点呼業務などの自動化・システム化は、今後さらに重要性を増していくでしょう。しかし、チルド物流はその特性上、完全自動化は難しく、人の判断や経験が必要な業務も多く残ります。そのため、人とテクノロジーの最適なバランスを見出していくことが重要です。
加えて、共同配送の高度化に向けて、異なる会社間でのシステム連携やデータ共有の仕組みづくりも重要になってきます。当社としては、基幹システムの活用をさらに進めながら、業務効率化と品質向上の両立を目指していきたいと考えています。
システムズに期待する新しいサービスやサポートがあれば教えてください。
原様:システムの保守だけでなく、IT業界の最新動向や、物流業界におけるDXの取り組み事例などの情報提供を期待しています。定期的な情報交換の場を設けていただき、新しい技術やソリューションについての知見をご共有いただければ嬉しく思います。
システムズとの今後の協力関係
平野様:信頼関係をベースに、より踏み込んだ協力体制を構築していきたいと考えています。システムズの技術力と当社の物流ノウハウを組み合わせることで、業界全体の発展にも貢献できる取り組みを進めていければと思います。