• マイグレーション&モダナイゼーション事業

製造業

ERP化におけるマイグレーション補完活用

クライアント

A社

業種

製造業

内容詳細

マイグレーションは部分適用が可能

システム再構築の手法は、全面再構築(新規作り直し)、ERP化などパッケージの導入と適用、マイグレーション(既存システムの活用によるシステム移行)に大別されますが、最近では、システム再構築が1つの手法だけで進められるのではなく、「パッケージ導入によってERP化を進めつつ、ERPでカバーできない箇所をマイグレーションで対応する」といった、マイグレーションを部分的に採用する動きも活発化しています

レガシーシステムのオープン化に際してパッケージ導入を選択した場合、標準的なパッケージ機能だけでは実現できない業務や機能の実装方法を検討する必要があります。軽微な差異であればパッケージのカスタマイズ対応が有効ですが、大幅な機能変更・追加が必要な場合、初期導入時のカスタマイズ費用、パッケージバージョンアップ時の費用が増大します。差異機能だけをオープン系環境で新規作成(スクラッチ開発)する方法もありますが、現行システム機能をそのまま再利用する場合は、マイグレーション技術によりコストを大幅に削減するケースが増えています。

マイグレーションは、他の手法と共存しながら適用できるのが特長です。コストや期間が低減できる“マイグレーションの部分適用”は、これからのシステム再構築でも大きくクローズアップされていくものと思われます。

ある製造業での成功事例

ある製造企業のお客様では、IBMのメインフレーム(Z/OS)で基幹システム(財務会計・生産管理・販売・購買・在庫)を運用してきました。2009年、二十数年間稼働したこの基幹システムの刷新を決断、次期システムとしてERPパッケージ(SAP R/3)を導入しました。

旧システムには、取引先ごとの独自機能(受発注機能)が16種類以上あり、ERPパッケージの標準機能では実装できないため、カスタマイズが必要でした。また、改造・修正が頻繁にあるため保守の容易さが不可欠であり、既存の構成を残したいという要望もありました。当社では、独自機能として稼働しているプログラム(COBOL=8,750本中703本、JCL=1,980本中263本)をオープン環境(WindowsOS)でMF-COBOL、DosBatchに部分マイグレーションしました。マイグレーションを部分適用したことで、ERPパッケージでアドオンと比較してわずか4分の1の費用で実現できたことが同社にとって最大のポイントとなりました。

ERPやその他のパッケージ導入を考えている企業は少なくありませんが、いずれも、標準機能では実装できない独自機能をどう実現するかが鍵となっています。今回のようなマイグレーションの部分適用は、パッケージの標準機能だけを使うことによってバージョンアップが容易であるというメリットもあります。適材適所のマイグレーションを採用することで、バージョンアップなどの運用・保守も含めたトータルなコスト削減が可能となります。

レガシー資産が有効活用できるシステム移行を

当社では、お客様のレガシー資産の有効活用を前提にした、省コスト、短期間でのシステム移行をご提案します。パッケージ導入(ERP化)などで「ここは既存機能が継承できれば」という課題があれば、ぜひご相談ください。